いざしつけを行おうとすると、どのようにすれば良いのか

何を教えるべきかといった点で悩む方も少なくありません。

子どもに正しいしつけを行うことは、将来社会で生活していく上で必要不可欠なスキルを身につけさせるための大切な要素です。

人間が成長して自立していくためには、適切な生活習慣や社会でのルールを理解し守ることが不可欠です。

これらを親が子どもに教えることがしつけの役割です。

しつけには、子どもが以下の目的を達成するために必要な要素が含まれます。

正しい判断基準を教えること 

経験を積ませることで、さまざまな行動を繰り返し行えるようにすること – 集団生活や社会生活の準

備をすること 子どもに身につけてほしい「社会性」とは、将来社会で類を見ない見識や適応力を持た

せるためにしつけられます。

例えば、小児科学や児童精神医学の視点から見た社会性は、以下の6つの項目に定義されています。

1. 自立 2. 移動 3. 作業 4. 意志の交換 5. 集団行動 6. 自己統制 「しつけ」とは、「日本大百科全書」によれば、日常生活における行儀作法や生活慣習を身につけることを指します。

しつけは主に家庭内で行われる初期教育を指す言葉として使われています。

かつては、しつけとは幼少期の育成だけでなく、子どもの性格形成や行動の補正を行うことも含んで

おり、教育以上に実践を通じて子どもを育てることを意味していました。

例えば、着物を正しく身に着けるためのしつけ糸や、幼少期から親に無償で働くことを約束させるし

つけ約束なども、この意味から派生しています。

しつけという言葉は、日本で生まれた国字であり、「武士に相応しい上品な態度を教え、姿勢を美し

く保つ」という意味から生まれました。

子どもたちが健全に成長するためには、自尊心と自己肯定感が必要です。

自己肯定感や自尊感情を基盤としてしつけを行うことで、生活に役立つスキルを身につけられます。

しつけの手法である「褒める」と「叱る」は、自己肯定感や自尊感情と密接に関連しています。

褒めるしつけと叱るしつけを適切に行うためのポイントを説明します。

• 褒めるしつけでは、子どもが自らやりたいと思ったことや試みたことを褒めることが重要です。

ただし、結果を褒めるのではなく、過程を認めることが子どもにとって自信や喜びを与えます。

子どもを褒める際には、自ら挑戦したいと感じるような褒め方を心がけましょう。

• 叱るしつけでは、子どもの過程や気持ちを否定するのではなく、正しい行動を教えることに焦点を当てることが重要です。

特に2歳未満の子どもは、叱られてもそれが理解できません。

そのため、叱られることで親に注意を向けてもらえると感じ、同じ間違いを繰り返す可能性があります。

2歳以上になると、子どもは叱られることを理解できるようになりますが、感情的に怒ると印象が残

り、「怖い」「叱られた」という印象だけが残ります。

叩いてしまった場合などには、ただ行動を叱るのではなく、「怒るのは仕方がないが、叩くのは間違

っている」というように気持ちと行動を分け、過程の原因を話し合うことが重要です。

「しつけ」には、社会で必要なさまざまな種類があります。

例えば、人間関係を築くために欠かせないマナーや挨拶といった基本的なしつけがあります。

この中でも、子どもに教えたい代表的なしつけの種類を紹介します。

挨拶などのマナーは、初対面の人やコミュニケーションが苦手な人との接触に役立ちます。

挨拶を怠ると相手に誤解を与えてしまうことがあるため、より円滑な人間関係を築くためには重要で

す。

子どもに挨拶を身に着けさせるためのポイントとして、親が挨拶をする姿を見せる、家庭で挨拶を習

慣化する、相手に合わせた挨拶を教えるなどがあります。

社会でのルールも重要で、お店や図書館などでの行動に関する社会のルールを教えることが役立ちま

す。

社会のルールを理解することで、周囲との調和を保ち、気持ちよく過ごすことができます。

子どもに社会のルールを教える際には、なぜそのルールが重要なのかを説明したり、我慢をすること

でルールを守った際に褒めたりすることが大切です。

さらに、時間を守ることも重要なしつけの一つです。

大人になるにつれて、時間に対する遵守が重要視されます。

子どもには小さいころから時間を守ることの大切さを教え、信頼を築けるようにしていくことが望ま

しいでしょう。

時間を管理する方法としては、以下のような手段があります。

・時計を見る習慣を身につけることで、時間を把握する ・予定の時間から逆算する習慣を身につける

ことで、適切な時間配分ができる ・各部屋に時計を配置するなどして、時間を意識させる ・子供に

自分で時間を管理させることで、時間に対する責任感を養う ・時間に遅れた際には、「他人のせいで

はなく、自分が遅れた結果だ」とやさしく理解を示す ・注意を促す際には、「遅刻するよ」といった

ネガティブな言葉ではなく、「早く準備すると余裕が生まれてゆっくりテレビを見ることができる

よ」といったポジティブな言葉を使う 衛生面における生活習慣については、以下のようなポイントが

あります。

清潔な生活を送るためには、衛生面に気を配ることが重要です。

感染症の影響もあり、共同生活においても優先されるべきエチケットとなっています。

手洗いなどの衛生面に関するポイントは、年齢に応じて以下のようにまとめられます。

・0歳以下：快適や不快の言葉を使い、汗をかくことや入浴後の爽やかさなどを通じて教える ・1

歳：親の真似をさせつつ、手洗いなどを教育する ・2歳：帰宅後や食事前など、習慣として手洗いを

促す ・2歳以降：見守りながら自分で行うように促す 他人との関わりにおいて、わがままの対処方法

について考えてみましょう。

「わがまま」とは他人を考えず自己中心的に行動することを指し、その行動は身勝手であるとされま

す。

子供が駄々をこねる行為は大人から見ると「わがまま」に見えるかもしれませんが、実際にはその子

供は感情が未発達であり、他者の気持ちを理解することや自らの感情を制御することが難しいのです。

そのため、子供がわがままを言っているのではなく、自分の気持ちを親に理解してもらいたいために

駄々をこねたりするのです。

特に朝の準備や夕方など親が忙しいときに、子供が不機嫌になったりわがままを言ったりすると、親

はつい「わがままだな」と思いがちですが、実は子供はただ甘えたい、自分の気持ちを理解してほし

いと純粋に感じているだけなのです。

親は子供の気持ちを理解し、対応することが大切です。

このような状況を考慮した上で、わがままや他の人との関わり方に関するしつけのポイントをまとめ

ました。

– 1歳半から2歳頃：感情的に怒らず、一歩引いて子供の気持ちに共感する。

必要なときには我慢させることも必要。

– 3歳頃：子供にとって負担にならない範囲で、徐々に「待つこと」「我慢すること」を教える。

待てたら「ありがとう」と感謝の気持ちを教える。

– 忙しいときに子供が不機嫌になったりわがままを言ったりする場合は、「ママ（またはパパ）は今

忙しいから、5分後に一緒にいようね」と約束してから子供の気持ちを受け止めてあげる。

– 子供の感情を無視したり抑えつけたりしないようにする。

子供に適したしつけ方法は何か？ しつけの方法はさまざまですが、子供の年齢や性格によって共通す

る要素もあります。

ここでは、子供の年齢や性格に合ったしつけ方法を説明します。

年齢に応じたしつけ – 0～1歳：まだ「褒める」「叱る」の区別がつかず、理解力も限られています。

この時期は抱っこや撫でるなどのスキンシップを通じて、子供が大切にされていると感じさせること

が大切です。

– 1～3歳：言うことを聞かない「イヤイヤ期」で、甘えと反抗を繰り返します。

この時期は親からの依存心から離れて自立心を養う段階なので、子供が受け入れられる安心感を与え

ながらしっかりと接してあげることが重要です。

自立を褒めたり、甘えを叱ったりする必要はありません。

– 3～6歳：他の人の気持ちを理解できるようになります。

この段階では公平さや正しさを求めるようになるため、子供が善悪を理解できるように接してあげる

必要があります。

子供の気持ちに共感しつつ、悪い行動は制限する必要があります。

– 6～10歳：この時期には言葉や他人の気持ち、ルールを理解する能力が高まりますが、まだ親に甘

えたくなることがあります。

子どもが甘える時には、適切に応えてあげて、その子の自己肯定感や自尊心を育ててあげることが大

切です。

甘やかしすぎるのではなく、甘えさせることで手助けをすることが重要です。

子どもの性格によって、叱る頻度や方法が異なります。

まずは、子どもの性格をよく理解し、それに合った叱り方や褒め方を身につけましょう。

性格は、「統制性」と「活動力」の2つの要素からなり、それぞれが高いか低いかによって「がんば

りやさんタイプ」「おだやかさんタイプ」「マイペースタイプ」「やんちゃタイプ」の4つに分類さ

れます。

例えば、「統制性」と「活動力」が共に高い「がんばりやさんタイプ」は、行動力がありますが、優

しく励まして個性を伸ばすことが大切です。

「統制性」が高く「活動力」が低い「おだやかさんタイプ」は、不安を感じやすいけれど、優しく要

求して自信をつけさせることが大切です。

「統制性」と「活動力」が共に低い「マイペースタイプ」は、のんびりしていて、叱るよりも支える

ことや要求を控えめにすることが重要です。

そして、「統制性」が低く「活動力」が高い「やんちゃタイプ」は、パワフルであるため、危険な行

動をする際は即座に止めて叱り、自己コントロールを身につけるようサポートすることが必要です。

まとめ

子どものしつけは将来の基盤に大きく影響します。

親としては、叱ることと褒めることを適切に使い分けて、子どもの社会性を育むしつけをしっかり行

うことが大切です。

子どもの成長を考えて、将来の社会生活に向けて適切なしつけを施したいと考える親御さんは多いですね。 | 子供の正しいしつけ方にはどんな贈り物があるのでしょうか

赤ちゃんのおやつは、いつごろから与えたら良いのか

トイレトレーニングは何歳から？進め方のステップや必要なグッズ

子供の正しいしつけ方にはどんな贈り物があるのでしょうか

赤ちゃんの寝かしつけがうまくできない！お悩み解決！現役保育士が教える効果的な方法とは？